大杉地区の3階建養蚕農家の特徴


土壁

養蚕農家の一番の特徴は外部が土で塗られている点です。後年漆喰で仕上げられている農家もありますが多くは、美しい荒壁(大間仕上げ)のまま残っています。



掃き出し窓(板戸+内障子)

縦長の掃き出し窓に杉の板戸がはめられ大杉の養蚕農家の外観を特徴づけています。

二階の掃き出し窓は一階の庇により下半分がかくれ、上に三階の板戸が乗っています。端正な正面からの外観は洋風の建物のようです。

この縦長の窓は温度管理、通風の為に大きな開口を必要とした理由以外にも物の出し入れに直接利用していたと伝えられています。



抜気(越屋根)

大杉では 妻面の三角の開閉装置を抜気(バッキ)と呼んでいます。

蚕の飼育に適切な温度湿度を保つ為に設置された空気抜きで、すべての養蚕農家についています。大きな農家では 大屋根の上に越屋根としてついている抜気もあり、こちらは桁方向に開閉装置がついています。

通気の為3階床、R階床は床板が、すかして敷いてあります。

なお、大杉の3階建養蚕農家の外観は3層であるが3階天井は根太床となっている4層構造である。



2階と3階の間の庇(ひさし)

3階床位置に小さな庇が付く。大杉の多くの養蚕農家の妻面に取付いているが大型の農家には、正面(桁行面)にも取付いています。